点数と偏差値、どちらを重視すべき?

学校は点数重視、塾は偏差値重視、その理由は?

こんにちは、ネスコム中野教室の山崎です。今回は、テストの点数と偏差値について記事にしてみました。

中学校3年生の中には、偏差値についてあまり関心がなかったり、まったく知らなかったりする生徒さんもいるのではないでしょうか。

偏差値について詳しく書き出すと、2ページ・3ページが必要になりますので、偏差値について、また偏差値の見方についてはリンク先にて確認するようにしてください。

学校が偏差値を出さない理由

歴史的な背景があります。

あまり好きこのんで使う言葉ではありませんが、説明上必要ですので書かせていただきます。

「ゆとり世代」という言葉があります。1992年、ゆとり教育が始まった年でもあります。当時の文科大臣が中学生の行う業者テストに対し苦言を呈したことが発端となり、それ以降、公立の中学校では”偏差値”(業者テストでは偏差値を表示することはあたり前でした。)という言葉すら使われなくなりました。

学校の先生は、本来は高校進学の進路説明において”偏差値”を使って話を進めたいのが胸の内でしょう。しかし、そのような状況ですので、「◎◎高校へ行くなら320点くらいは取っておきたいよね。」とか、「過去の先輩たちのデータを見ると、280点を取っておかないと。」と生徒へ伝えるしかありません。

しかし、上記紹介したリンク先ページにもあるように、5科目の平均点数が「250点」、生徒の点数が「250点」であれば偏差値は「50」となります。同市にある別の中学校で同時期に行われたテストで、5科目の平均点数が「300点」、生徒の点数が「300点」であれば、偏差値は「50」になります。

ここで気付いていただきたいのは、「点数」は高校入学に必要な要素一部にすぎないということです。

むしろ、偏差値による進路説明の方が説得力があると考えます

偏差値こそ進路選択の基準

学習塾の多く(ネスコム中野教室も同様です)が、業者の模擬テスト(模試)を生徒に受けてもらい、進路相談の材料にします。

点数や偏差値はもちろんのこと、結果の中には合格率・確度判定・受験したテストの正誤判定など、色々な情報を業者から提供してもらうことができます。病院で医者の方が管理する”カルテ”に似ています。

先述したように、学校は偏差値を示さない、偏差値という言葉すら使わない状況ですが、それは本来の進路指導とは程遠い次元の話です。なぜなら、高校の偏差値は極端に変動しないからです。

過去の偏差値の推移は、各学習塾が管理しています(業者から偏差値一覧表が毎年更新されて送付されてきます)。

それらの数値を経年で追っていくと、各高校の偏差値はほとんど横ばいに推移しています。一部の高校では右上がりに上昇していたり、またその逆だったりがありますが、一気に崖から落ちるような、もしくは壁のように跳ね上がるような推移はありませんし、あり得ません。

つまり、学校の先生はご存知なのです。「この高校へ行きたいのであれば、今回のテストの平均点が300点なので、350点程度取っていないと進路実現は難しいですね。」と偏差値を基準に話すことが出来るということを。

学習塾の場合は学校の逆なのかもしれません。高校の偏差値は大きく変動しないことを知っていますから、模試の点数はもちろん気にかけますが、それよりも偏差値に重点を置きます。国語の点数が32点であっても、偏差値が「53」であれば、平均点は30点くらいというのがすぐに判断できます。また、偏差値のみを見て、進路選択の高校が偏差値「52」に対し、5科目すべてが偏差値「52」以上であれば、「この調子で頑張りましょう。」と科目ごとの点数を見ずに言葉を掛けることもできるのです。

ネスコム中野教室も偏差値重視ですが…

偏差値重視という内容でお伝えしてきましたが、ご存知の通り高校入試は2種類用意されています。

前期選抜・後期選抜です。偏差値重視をするのは、あくまで後期選抜の話です。後期選抜にはない要素が前期選抜では必要になってきます。それが、内申点・内申書になります。

学校での様子、部活動の記録、委員会での活動、ボランティア経験、提出ノートの提出率など、塾側からでは”見えない評価”を学校側は持っています。よって、前期選抜についての対策(面談対策・自己PR文作成の校正等)をサポートすることが出来ても、”見えない評価”については何もわからないので、仮に合格、仮に不合格になっても、(偏差値的に不足していても)合格になった理由、(偏差値的には足りているのに)不合格になった理由を探すことができず、後輩の”前期選抜対策・教訓”というのは蓄積されて行かないのが現状です。

偏差値を基準にするとテストの見方も変わってくる

ここまでご覧いただいた生徒さんであれば、学校のテストで重視すべきは「点数」ではなく「偏差値」ということに気が付いたはずです。でも、学校の先生は偏差値は出しません。そうであれば、自らが偏差値を出せば良いですね。

進学希望先の高校の偏差値は、「〇〇高校 偏差値」と検索すればネット上で確認することができます(2~3つ別のサイトを検索し、その平均値を取ると良いですよ)。

〇〇高校の偏差値が「52」であれば、定期テストで”平均点以上は必要!”だということに気付きますね。

定期テストが返却される際、学校の先生は偏差値の片りんをプレゼントしてくれます。それが「平均点」です。しっかり耳を傾けてください。「平均点は◇◇点です。」この言葉を聞き逃したらアウト!です。(学期末に”私の記録”(テスト記録)が渡されますが、そこにも平均点の記載がありますが、そこまで待つ時間がもったいないです)

中間テストで自分の偏差値が「50」だとわかれば(つまり、平均点とほぼ変わらない結果だった)、次のテストでは平均点以上になるように努力しなきゃ!と思えるはずです。偏差値を知らなければ、今まで通りの学習を続け、次回のテストも平均点と同じような結果になる可能性が高くなります。

偏差値を上げるとは、これまでの学習方法を再度見直す必要があるという気付きの時間にもなります。偏差値「1」上げるために、これまでやってこなかった”学習”として何が出来るだろうか、そこで考えて実行する、これをテストが返却されたその日から実行している生徒さんと、そうでない生徒さん、結果に変化が出やすいのはどちらでしょう。

点数じゃない、偏差値です!と当教室で開催している進路説明会でも強くお伝えしている理由が以上となります。

テストの点数が高いとか低いとかで判断するのはやめましょう。平均点に対してどうだったのか、偏差値にしたらどのくらいなのか、そこに注目して点数を見ていただけると、お子さんもテストを提出しやすくなるのではないでしょうか。